赤ちゃんが生まれた時から、もともと体の中にもっている鉄分「貯蔵鉄」。
この鉄分は、生後7か月頃に無くなり、離乳食から鉄をとらないと、どんどん減っていくのです。
もし、鉄分不足が続くと取り返しのつかない発達の遅れがでる事があります。
こんばんは!
男性保育士のあつみです!
大人にとっては、フラフラしたり、顔が青ざめたり、単なる体調不良というイメージのある貧血。
しかし、赤ちゃんにとっての貧血って、一時的なものではありません。
今後の発達に関わる、とても深刻な事なのです。
■生後7か月頃~生まれつき体にもっている鉄分が減少する
赤ちゃんは、体の中に、生まれつき鉄分を持っています。
これを「貯蔵鉄(ちょぞうてつ)」と言います。
なぜ、最初から鉄分を体の中に持っているのかと言うと、
お腹の中にいる時に、お母さんからもらっているからです。
ただし、この鉄分は、有限です。
生まれてから、成長するに伴い、少しずつ、鉄分を使っています。
そして、生まれてから少しずつ減っていく鉄分は、生後7カ月頃までに、使い切ってしまいます。
この時期を過ぎると、どんどん鉄分が足りなくなってきます。
さらに、母乳にも、鉄分がどんどん少なくなっていきます。
そのため、鉄分が完全になくなってしまう前に、離乳食をスタートさせる必要があるのです。
体の鉄分がなくなる前に、食事から鉄分を取り入れられるように、なっておこうという事ですね。
これが、離乳食初期(5ヶ月~6ヶ月)までに、スタートしておく理由でも、ありますね。
■赤ちゃんの鉄欠乏性貧血とは?ただの貧血ではない!
赤ちゃんの鉄欠乏性貧血は、普通の貧血ではなく、とても危険なものです。
前述しましたが、大人の貧血って、一過性のもので、体調が悪くなる程度です。
が、赤ちゃんの場合、血液が足りなくなり、全身に酸素が届きにくくなる事で…
病気になりやすくなったり、疲れやすくなってしまいます。
これを「鉄欠乏性貧血」と言います。
●6ヶ月以上、鉄欠乏性貧血が続くと、発達の遅れが深刻になる事も
もし2歳未満の子どもで「鉄欠乏性貧血」が、6ヶ月以上続くと…
- 身体・運動神経の発達が遅れる
- 知能・知的な発達が遅れる
と言った、なかなかおしゃべりがが出来なかったり、上手に歩けなかったりといった、
取り返しのつかない、発達の遅れが出やすくなります。
そしてこの時期の遅れは、取り戻すことがなかなか難しいです。
大人の貧血は、一時的なものですが、赤ちゃんの貧血は、今後ずっと影響を及ぼします。
●ゆっくりと進行するため気づきにくい「鉄欠乏性貧血」
ただ単に、食欲がない、体調が悪い、機嫌が悪いだけなど…
普段との様子の違いに、軽く考えがちです。
しかし、気づいたときには、いつのまにか貯蔵鉄が消費され続けている…
という状況が多いため、いつも一緒にいるパパママも、気づきにくかったりします。
意識して鉄分をとっていく必要がある、と言う事ですね。
例:鉄分を含んだ離乳食に使える食材
鉄分は、レバー、赤身の肉、魚、海藻、大豆等に豊富に含まれています。
例えば、ほうれん草、小松菜、レバー、
きなこ、青のり、ひじき、
煮干し、卵黄、etc…
好みもあるため、取り入れやすいものを、使ってみてくださいね。
■鉄分をとるには、どうすればいいか
鉄分を意識して取るよう心掛け、3回食のリズムをつけていく事が大事です。
特に、離乳の支援ガイド(厚生労働省)でも、
離乳後期以降(9ヶ月~)は、鉄分を意識して取り入れるように記載されています。
しかし、中々離乳食が進まない子も、居ますよね。
ただ、もともと小食だという子もいますし、
おっぱいが好きで、たくさん飲みたいがゆえ、離乳食が進まない子もいます。
もし、こういった場合は、一回の食事量は、少なくなってもかまいません。
生活リズムを整え、3回食のリズムを安定させてあげましょう。
きまった時間に、食事をする習慣が付くと、食事前に、消化液が出る事で、
空腹感・おなかが空いたという感覚を、を感じやすくなります。
それにより少しずつ、食事できる量も増えてきますし、離乳食が進みやすくなりますよ!
だから、9ヶ月のうちに、生活&3回の食事のリズムつくってあげましょうね。